いや、それはやっぱり真ん中は赤だよ。「嘘つきアーニャ」のこと。


弾さんらしくもないというか、むしろ弾さんらしいと言うべきか、それはやっぱり真ん中は赤でしょう。深読みしすぎでは。

いづれもこの時代の彼女の友人たちの当時と(執筆現在の)現代を描いた作品だが、なぜ彼女はこの順序で作品を並べたかがきになる。青、赤、白。憶測するにこれは国旗に配慮したのではないか。
当初私は「あ、ロシアの国旗か?」と思ったのだが、ロシア国旗は上から白、青、赤。この三色(といっても微妙に違うのだけど)で有名なフランスは左から青、白、赤。この三色は、国旗に使う色としてはおそらく一番人気の三色なのだけど、赤が真ん中に来ている国旗はどうも見当たらない。この三色の組み合わせに関わらず、赤を真ん中に配置した国旗というのはどうも外務省:世界の国旗あたりを見ても見当たらない。赤地というのは結構あるのだけれども。なぜか赤がどまんなかにある国旗というのはあまりない。
そう、日本の国旗を除いて。
そして本書のタイトルも、「嘘つきアーニャの真っ赤な真実」。これは何かの暗喩だろうか?今となっては(彼女が書き残していない限り)知る由もないのだけど。(404 Blog Not Found 友人三色
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個人的な「痛み」を媒介にして世界を読もうとする姿勢に対して、

  • 反感を持つ人
  • 共感を持つ人
  • 共感を持っているくせに反感を示そうとする人
  • 反感を持っているのに共感した振りを示す人
  • 反感も共感も示さない人

といろいろあるわけで。僕がどの立場であるかは、くさいほど(笑)自明だけれど、そこはそれ、その立場にむきになって突っかかってくる人もいたりして、人間フクザツ。いろいろある。


それはおいておいて、「嘘つきアーニャの真っ赤な真実」は、まさにここのところから入って、米原さんに見えている「国際社会」「や「民族」が見事に表現されている名著だと思う。できれば3色でなはく、もっとたくさんの色を見たかった。


図書館でずいぶん前に読んだんだけれど、今回の作者の急逝で、手元に置きたいと思って注文中。ですが延々と待たされており、在庫薄の様子ですね。