世界の汚れ
夕方。幹線駅の近くのカフェにいた。
コーヒーを15分飲むとすれば、5分ずつ3つの問題を考える。
そのうちの少なくとも1つが、ネットのことであるのは言うまでもない。
いつものように1人で溜息をつき、やがて文庫本を広げる。
雷鳴。稲妻。
次の瞬間、大きな雨音が響く。皆が不安そうに外を見ている。
入り口に1番近いところで、若い女が1人。
雷鳴にも負けないような大声で、恋愛話をしている。
関係もない男と噂になった。困ったがうれしそうだ。そんな話である。
それでーさー、かれがーさー。
雷鳴。稲妻。
でーわたしはー。ちがうっていったのにさー。
もっと雨が降ってこないかと思った。
世界の汚れを全て清めるような。
そんな大雨が。