2008年パンダ宣言


我々パンダは幾千年もの間、政治には介入しないことを信条として、四川の自然の中で命を永らえてきた。人間社会への不干渉を徹底的に貫くことは、我ら生存の必須条件であると信じて疑わなかったからであるし、我々のキャラクターが、政治的でなかったこともその因の一つである。もとより我等は、我らのためにパンダなのであり、我らのために白黒なのであり、熊猫なのである。繰り返すが政治への不干渉は我らパンダ族、民族としての、否種族としての必須の条件である。

然るに今回、中国民族の筆頭である長が、日本国に赴くにあたり、こともあろうに我らパンダ族の意思を無視し、信条を無視し、チベット問題における中国の暴虐に対する、日本国内の反対感情を抑えるために、こともあろうに我らを日本にレンタルすることをもって、その政治的利用を図るにおいては、言語同断である。実にパンダの歴史上許すことのできない所業であり、全パンダ族に対する看過できない侮辱である。

我らパンダ族は、ここに全種族一致をもって、中国政府と日本政府、さらに日中人間族全員に対して強い抗議を申し入れるものである。


1.パンダを政治的に利用するな
2.パンダを甘く見るな
3.政治的施策としてのパンダ貸与を一切行なうな。
4.日本国人間族にあたっては、努々我らパンダの愛らしすぎる体型に惑わされるな。
5.パンダは人間の道具ではない。

繰り返す。

パンダ族は日中両国人間族による、パンダの政治利用に対して厳重抗議を申し入れる。この抗議は、たとえ1億トンもの笹の葉を差し出されても揺らぎない、不倒の決意であることを、こここに声高に宣言するものである。