手をつねる

あなたが、私はこれくらい痛いんだよと、僕の手をつねる。
今度は僕が、僕はこれくらいだと、あなたの手をつねる。

いや、もう少しこれくらい。などと2人で笑いながら、
冗談のように繰り返している間にいつかわからなくなる。

この痛さは自分のものなのか。
それとも相手のものなのか。

共有するとはそういうことなのだけれど、
それはわかるけれど、それで痛みが薄らぐとは限らないのだ。




あなたの手はかえって痛くなってはいないか。