松永さん、それは違う。


私の認識では、BigBang氏は「民主党」を守ろうとしていたのだと思っている。だからこそ「教団」と「党」の関係ではなかった、ということを証明させようと必死だったのだろう、と。彼がこの問題を「問題」にしたのは、その動機が強かったのではないかと感じている。純粋に「松永の未来のため」だけでは、あそこまで「懇談会の参加者として」責任感を感じる必要はないのだ。

これは別に責めたりしているわけではない。「あの人なんであんなにこだわるんやろう」ということについて、私が個人的に分析した個人的な考えであって、BigBang氏の真意は彼にしかわかるまい。ただ「BigBang氏は民主党帰属意識がある」と考えれば、単にその場に顔を出しただけの他の懇談会参加者たちが私の問題についてほとんど興味を示さなかったことも含めて説明がつくと思う。ただし、「説明がつく」=「事実である」とはいえないことには留意すべきだけど。(id:eshekさんのところの松永さんのコメント


松永さん、それは全く違う。確かに私は今までのエントリーを読んでいる人なら誰でも知っているように「アンチ自民」であるので、自民党よりは民主党に親近感を持っているのは確かだ。しかし、敢えて民主党を守らなければならない理由は何もないし、そういう精神性も持っていない。ましてや「帰属意識」なんてさらさらない。騒動の後、R30氏もあなたと同じようなことを言っていたが、これは大外しである。なぜそんな風に思うのかもわからない。もちろん全ては「松永の未来」のためであった(笑)と言い切るほどの、お人よしというか、偽善者でもない。

あのとき私は、泉さんに向けてこう書いた。もう一度読み返してもらいたい。


私たちは、公党を囲む陰謀論のコアとなる工作の可能性のある人物をあの場に招きいれてしまったのであろうか。もしもそうであればいくら民主党のチェックが甘かったとは言え、信頼して胸襟を開いてくれた民主党に対しても多大なる迷惑をかけ、そして他のすべての人に対しても重大な問題を発生させることに立ち会ってしまったことになる。同時にもしも松永氏がきっこであった場合、政局に与える影響は計り知れないほど重い。もちろんすべてが冤罪であった場合、あなたの、松永氏の、そしてあの場を利用して発言を行った私たち参加者の名誉も回復されなければならない。
その重みに比べて、あなたの処理の仕方はあまりに軽すぎると私は思う。あえて言う。それでもあなたはジャーナリストを志す人であると言えるだろうか。(BigBang 民主党ブロガー懇談会・アーレフ関与問題----GripBlogと松永氏に問う


あなたは前半部、「公党を囲む陰謀論のコアとなる工作の可能性のある人物」という表現にばかり引っかかったようなのだが、これは元々Flashの記事のトーンである。少しこの一節の後段にも目を向けて欲しい。
あの記事が出たとき、私は参加した全員の(もちろんあなたもだ)名誉が傷つけられたと私は思った。そして民主党もだ。この件に関して民主党に過失はほとんどなかったと思う。事実無根であれば全員の名誉は晴らされなければならない。そのための努力を速やかにするべきだと思った。
他の参加者は、R30氏はああいう感じ。小飼さんは過去は一切問わないとしてこの問題を切り捨てた。安曇さんもそれに近いと思う。Aaさんは、問題に触れること自体に傷ついて去った。徳力さんや他の2名がこの件についてどう考えているのかは知らない。


そして、これはあなたははたぶん知らないと思うけれど、例えば会を仕切った民主党の大塚代議士は名指しで取り上げられていたので、Flashが出た直後に選挙区へ帰ったら、インターネットなんて見るはずもない年老いた支持者が数人、会うなりFlashを彼の目の前に突きつけて、一体どういうことか説明してくれと血相を変えて迫ったそうだ。大塚氏は、だいぶたってから、苦笑しながら教えてくれた。「結構みんな読んでるんですね。あんな雑誌。いやあ参りました」とも言って笑っていた。だからといって彼はあなたを責めたりはしない。もちろん泉さんのことも、我々のこともだ。そんなことをいちいち気にしていたら政治家はやってられないとも言っていた。


だからどうというのではない。会に関しては、彼らにも一定の責任があるのだし、というか責任を問うこと自体に意味が無くても、起きたことの「結果責任」を引き受けなければならない。政治家というのはそういうものだと思う。そして、それ以上に民主党というのは何て「お人よしで脇の甘い」政党なんだろうと思った。そしたら案の上、その後永田メール事件だ。(苦笑)


少し話がそれたようだ。話を戻す。


とにかく私は、民主党をかばったわけでも、「あなたの未来」を気遣うなどという、あなたの大嫌いな「おせっかい」のみで、動いたわけではない。多くの人が注目している会合について、ああいう報道がされたら、その記事が正しいのか、間違っているのか、それを説明する努力をする責任が我々全員にあったと今でも思っている。
事実無根の記事であれば、一刻も早く泉さんがあなたに取材して、堂々と反論してくれればいいと思った。全員の名誉が傷つけられたと私は思った。(あなたに、ではない。あの記事にだ。これは言うまでもないけれど、あの記事はあなたの素性を暴いただけではなく、悪意ある意図を持った人物が政治に近づいたというトーンになっていた。きっこ=松永説も、今は本気で信じている人はいないだろう。例えば松永さんの経歴は本当だけれど、その内容は全くでたらめであると、泉さんとあなたが声をあげてくれればいいのにと思った。今になってみれば、記事には無用の悪意も込められていたけれど、完全な誤報とは言えない内容であったわけだから、特に野田氏に格別の思いは持っていないが。)


だが、そうした気持ちや行動を不要だと感じていた人がいることも、今では知っている。私は、多少なりとも縁を持った人が攻撃されれば、それをまるで自分に対する攻撃のように受け止める性質がある。友人が侮辱されたり名誉を傷つけられれば、それを自分への侮辱のように感じる性向がある。それは認める。だが、自分のその苛立たしさををいくら伝えようとしても、伝わらないものは伝わらない。それもわかっている。しかし、これが人格だからそう簡単に変えようがない。あなたが「見せかけの社会正義」を極端に(と見える)嫌悪するのと同様に、私はこうしたときの「人間の卑怯」を嫌う。それだけのことだ。人はみな別の人格なので、こだわりのない人には、いくら説明してもその生理的不快感は伝わらない。それでも何回も伝えないと伝わらないのも事実だけれど。


もちろん徒労感も持っているが、はっきり言えることは、関わった者全員が、それぞれに彼の事件では、それぞれなりに傷ついたということだ。
もちろんあなたは、群を抜いて多大なる傷を受けたし、もしかしたら、それが全てだと思っているかもしれないけれど、多くの人が傷を受けたということも、もう少し思ってくれればいいと思う。

懇談会の件は、全てがあなたの責任だとは今は思っていない。(責任がないとももちろん思っていない)不幸なことがいろいろと重なってしまった面もある。もちろん、それはわかった上で、どうすれば一番いいのか考えている。