世界史履修漏れ問題少し




(引用開始)
しかし補講を受けるだけまだしもマシで、本当に問題とされるべきなのはすでに「卒業」してしまった生徒たちである。
ルール通りに厳密に言えば彼らには高校を卒業する資格がなく、ゆえに大半は大学を受験する資格がないはずである。しかしすでに多くは受験し、大学に入学しているか、大学も卒業しているはずだ。
本来であればさかのぼって彼らの資格を剥奪するのがリーガルマインドの現われだと思う。
彼らが不正をしなければ合格したかも知れない人たちから彼らは未来を盗んだのであって、まぎれもなく彼らは加害者そのものだ。
ポリティカルに免罪されるとすれば、単に今回の事件の規模が大きすぎるからというのが理由であって、それ以上でもそれ以下でもない。(■必修科目の履修漏れ問題続考 green

(引用終)

うーん。それはどうでしょうかね。既に卒業してしまった生徒については、原状回復が困難であり、まだ在籍している生徒に関しては間に合うからというだけのことのようにも思える。で、この件に関して、「結果的に」必須科目履修漏れの生徒が、履修済みの生徒に対して「不利益を与えた」としても、そうなった結果に関して、「加害とされる」未履修の彼らに過失も、悪意も問うことはできないので、事件の規模以前に、やはり彼らの責任は問えないのではないかと思うし、負う必要もないのではないか。


法の問題よりも、個人の人間形成の問題として、世界史を学習せずに卒業してしまったことの「欠損」は段々とにじみ出てくるかもしれない。



必修科目とされている公立ですらこうなのだから、私立などは調べてみるも恐ろしいし、現代史を知らない日本人ということで、盛んに中韓などから批判されていたことが、実は現代史の次元の問題ではなく、世界史全体の欠損という、トンデモな結果になっていたということは、何ともいやはや。


で、去年の今頃ソウルとか板門店とかちょうど行っていたわけで、それからいろいろあって書けないでいるけれど、現地の観光ガイドの方々の、愛国的というか、反日的というか、ソウル旧跡案内はすさまじかった。で、それを日本人の高校生の子供たちが不謹慎にブイサインなどしながら聞き流している、ある意味忌むべき光景があったのだけれど、世界史をやってない高校生であったかもと思えば、あのブイサインも妙に生々しく、かつ説得力がある。


そんなことだから「言われ放題」になっちまうんだぜ。諸君。

ま、悪いのは大人である。


【10/29 加筆】
「真夜中は別の人」さんから、世界史が必修になったのは2003年1994年からに過ぎないので、それ以前の卒業生をこの問題と結びつけるのは、無理があるのではないかという趣旨のTBをいただきました。ごもっともです。一部記事を修正させていただきます。