ピョンヤンの春



(引用開始)
今回の場合、肝心なのはこの条約が拘束になるという一点ですが、その場合条約を事前に破棄しちゃうなんて裏技もあるかも。ただ、侵攻はないだろうとは思う。中国は現在世界の目をある程度気にする国家になっているし、その上で侵攻というリスクを取るならまず台湾(侵攻の意味合いが違うにしろ)。
まあ朝鮮戦争というのは浮かぶんだけど、それをいえば現在はあの頃と決定的に状況が変わっている。(エレニの日記・■北朝鮮とか中国とか平和五原則とか

(引用終)


確かにこれとか

中朝友好協力相互援助条約(中華人民共和国と朝鮮民主主義人民共和国との間の友好,協力及び相互援助条約)


あるんだけれど、歴史上同盟関係にある国に対して、侵攻した事実はあってたとえば古い話だが、ワルシャワ条約機構軍=ほぼソ連チェコに侵攻したとき(プラハの春)には、チェコスロヴァキア共産党体制の解体とか改革運動の自国への波及を避ける名目で行われた。同盟を組んでいるからといって、やるときゃやりませ。赤い軍隊。

その国を奪ってやるぜ!みたいなノリで入る「まっすぐな侵攻」はむしろ少なくて、多くの場合「同盟国の秩序回復」を名目に行われる場合が多いように思う。この名目であれば、現在あるいは近い将来の北朝鮮が「騒乱状態」にあると中国がみなせば、まさに同盟国の責務上、かの国の秩序回復を名目にして一時的な駐留がなされる事態が今後あっても、それほど違和感がないように思う。



実際のところ北朝鮮の内部統制がどれほどとれているのかいないのか、金正日の支配力がどれほど強固なのか違うのか、代替政権となる候補が国内にあるのか、ないのか、そうしたところはみな闇の中である。ここで「北朝鮮に関する豊富な情報を持つ」中国が、金正日政権に抵抗する軍の一部不穏分子鎮圧を口実に、北朝鮮国内に入ることは、全くの御伽噺でもないのではないか。


で、入ってみると金正日は既に国外に出ていて、中国の傀儡政権が臨時に成立とかね。新しい政権の顔ぶれは知らねーよ、あいつみたいのばかりだったりして。韓国が怒っても、まあまあ待て、まず平常な状態の回復だから、民族統一まてまて落ち着けみたいなね。



実際、中朝国境を越えようとする北の難民は相当の数に上っているという情報もあるし、国境付近が不安定な状態になることは中国も避けたいだろうし、爆発的な北からの難民流入ももちろん避けたいだろう。ベルリンの壁の崩壊当時の、東欧諸国の混乱も国境線の無意味化=人口流出の爆発から始まったことも思い起こされる。


やはりこのへんになると、鍵を握っているのは米中両国であって、わが国家はパフォーマンス的外交に終わる可能性があると思う。というか思うなんて言ってられない状況は迫っているのだが。


もちろんこんな「異常事態」がそうスムーズに進むなどとはさらさら思っていないのだが、それだけに何があるかわからない現在の状態は相当不気味ではある。