花の季節は嵐の季節

会う人に「桜を見たいねえ」と話しかけては、「もう見たよ」と返される。違うんだなあ。そういうことではない。花を見ることは、そんな通りがかりの気軽なものではないんだよ。
まず最低限、足を止めなければならない。んで、毛虫が見えないくらいには近くに近づいて、じっと見た後、微笑んで顔を見合わせなければならないんだよ。
などと言っては爺扱いされ、などと言っては坊や扱いされ。

花の季節は実は嵐の季節でもあるということを、あなたは忘れているでしょう?