不謹慎かもしれない「フラット革命」書評のようなもの(1)

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「うーん、消えたな・・」
「消えましたね」
「書き終わる寸前、気持ちいいくらい消えた」
「・・・・・・」
「真引現象だな」
「?やっぱ・・ダメなんじゃないですか?この形式」
「ん?」
「これ書評でしょ?しかも『フラット革命』の」
「まあ、そんなようなものだな」
「佐々木さんに本送ってもらったんでしょう?こんな不真面目でいいんですか?」
「真面目だよ。いいじゃん、対話形式」
「消えたの暗示じゃないですか?・・・今までBigBangさんネタに走ってろくなことはなかったですよ」
「佐々木さん、洒落わかるし」
「そうですかねえ・・・」
「心配するな、辛木君」
「・・・・・誰?・・消えたままのほうが良かったんじゃないかな。この記事」
「うむ・・・書き直すほどのものではなかったかな」
「・・・・・・」






「で、『フラット革命』だけど」
「評判高いですね、全般的に」
「値段は安い」
「買ってないでしょ」
「ま、そのなんだ」
「え?」
セカンドライフは始めるとやめられない」
「(関係ないでしょ)それでずっと読まなかったんですか?」
「読んだよ。とっくに」
「で?」
「でって?」
「感想ですよ。なんか避けてませんか?書評書くの」
「つまり、インターネットのおかげでみんな言いたいことを言えるようになったということだ」
「・・・・・・」
「だけどそれは結構いろいろ問題もあると」
「・・・」
「でも避けられないんだからあきらめようと」
「それだけですか?」
「それだけじゃないさ」
「例えば?」
「まず1章はがんだるふさんの話。毎日新聞の『ネット君臨』。」
「『フラット化するマスメディア』ですね」
「この章だけじゃないんだけど」
「はい」
「この本ってそもそも、誰に向けて書かれたんだろうね」
「誰に?」
「うん、要はインターネットによって言論の手段が万人に開かれたと。」
「はい」
「で?」
「で?って・・それがマスメディアに衝撃を与えていると」
「そうだよね。佐々木さんは旧メディアが晒されるフラット化の衝撃の一例として、がんだるふ事件から書き起こしているんだけど、あれってさ、毎日の記者が馬鹿だったんでしょ?」
「またそんな・・・」
「だってさ、取材対象の調査をちゃんとやらないで、いい加減なことを書く記者なんていくらでもいたじゃない。それが一番のポイントでしょ」
「でもそれは・・」
「そう、ネットがなかったから泣き寝入りだったのが、インターネットによって自由な言論や反論の環境ができた。」
「ええ、だからそれが・・」
「匿名の発言の中にも鋭いものが出てきて、ブログ論壇というようなものができて」
「ええ」
「だからこれって、ガ島さんやR30さんが言っているような旧メディアのわからずちんのメディア関係者に向けて言ってるんでしょ?俺らじゃないでしょ」
「何でこういうときだけガ島さんやR30さんを引くんですか。悪口ばっかり言ってるくせに」
「だからさ、このへんは佐々木さんの言論はDJ研の流れに沿っているわけで、要は古巣のお馬鹿な頭の固いメディア関係者に警鐘を鳴らしているわけですよ。そうですか、じゃあ勝手にやってくださいみたいな、空々しさがいっつもこっちにあるんだよね」
「佐々木さんってDJやるんですか?」
「・・寒いよ、そのネタ。つまりさ、こんなこと書かれてもぎくっとするのは、そういう頭の固い『メディア関係者』だけじゃないの?」
「うーん、身内争いみたいな?」
「うん、メディアに対する信頼なんてさ、とっくに崩壊してるよ?夕べ、シルルも言ってた」
「シルルって?」
「夕べセカンドライフで会ったフランス人」
「知りませんよ。」
「とにかく、向いている方向がすごく特定業界的で、この本読まされる一般人はどうしたらいいのかよくわからない」
「はあ・・」
「フラット化ってもともとフリードマンとかが言い出したことで、経済や技術や企業経営の仕組みが急速にネットによってグローバル化していくってことでしょ。それならわかるんだ。産業世界の変化とか、関心高いよね。一般人にも。佐々木さんは、その中で言論の部分を突出してとらえて「フラット化」とずっと言っているんだけれど、それってひとえに旧来メディアへの批判にしか聞こえないわけ」
「でもそれは・・」
「そう、それはそれでわかるんだけど、例えばブログ論壇がこうなっているなんて言われてもさ、そこで起きている混乱や攻撃だとかをどうすればいいのかと」
「佐々木さんは、それも必然なので、越えていくしかないというか」
「それは我々に対してだよね?そのあたりはさらっと書き流して、顔はまず旧来メディアに向いているわけだよ。その言及はさ、確かにその世界にいた人だから厳しい。この本をがんだるふの件から書き起こしたのは、それがよく出ていると思う。だって彼にとって古巣の毎日新聞でしょ。これは取材者の追跡取材までしている。つまりポイントは旧メディア崩壊のような気がする。社会変革じゃなくてね。何かこのへんステークホルダールサンチマンを感じるのだ」
「・・・・・・パロディやらなくていいです」
「というわけで・・・そろそろ、セカンドライフに戻っていいかな?」
「待ってくださいって(もう・・) メディア批判は意味がない?」
「そうじゃなくて、向いている方向だよ。佐々木さんっていう人は、いつも半分メディアに軸足を置いてこちらを見、半分軸足をこちらに置いて旧メディアを向いているわけ。」
「ええ」
「オーマイの時もそうだったんだけど、そのバランスが実に微妙で、この『フラット革命』にそれがよく出ていると思うんだな。どうしてもそのバランス感覚みたいなところが気になっちゃうわけ。いや、批判しているわけじゃないですよ。」
「(だからパロはやめてください)この本には今までで一番時間をかけたそうです」
「うん、それはよくわかる。とくに「ことのは問題」に関する記述はすごくナーバスで丁寧。バランスがとれていると思う」
「にわかに突っ込めないですよね。細かい部分以外」
「うん、うん。直前に出た、あのDJ研の高価な本とは全然違うね」
「あれはログだそうですよ。」
「書き流し収録って感じだね。佐々木さんもそう言っていた。」
「ええ」
「旅の恥は書き捨てみたいな・・」
「またそういうこと言う・・・で、第二章ですが・・・・」
「まだやるの?」
「やらないんですか?」
「(続く)」
「え?(続けるの?これ)」
「悪い?やめる?」
「これで終わりはないでしょう。・・でも・いいのかなあ。」
「ほっぽり出すのもダメ、続けるのもダメ。
「・・・・」
「ドシタラヨカロ」
「やめなさいって。(時期が悪い)」
「・・・・・・セカンドライフに戻っていい?」
「・・・・・勝手にしてください(もう・・)」
「いや、これも芸風だから。辛木君」