FLASH報道から1年・松永英明さんとの対話(2)


私は「絵文録ことのは」を多少読み始めたくらいの段階で、いったん松永さんに会っている。言うまでも無く民主党ブロガー懇談会である。その後2次会にも行き、永田町の駅まで行ってAaさんと一緒にホームで世間話をした。だから、松永さんという人がどんな雰囲気の人かは、前から知っている。ブログを読んでイメージを作ってから本人に会うというよりも、先に本人に会ってから、ブログを丁寧に読み始めたという順であった。


おそらく多くのブロガーがそうであると思うが、書くエントリーのイメージと実際の本人のイメージは会ってみると結びつかないが、松永英明さんという人も例外ではない。時としてブログ上での彼はエキセントリックで攻撃的であることが見受けられるが、実際の彼は非常に物腰の柔らかい人である。

エントリーやコメント欄で、時には激しく応酬しあいながらも、その彼の「雰囲気」を、最初から知っていたことが、私にとってまだ救いだったともいえるし、逆に知っているからこそ、かえってエスカレートした部分もあったかもしれない。実態とイメージ。実像と虚像。あるいは虚勢。それが私を含めて双方にあった。

久しぶりに会う松永さんは、ああいうエントリーの直後だけあって、最初はひどくやつれて疲れた印象だった。が、話が進むにしたがって、少し目に力が宿ってきたという印象であった。


「ご無沙汰です」と苦笑交じりに言うと、少し当惑した様子ながら頭を下げていただいた。



【「遺書」】


BB「あんな記事書くものじゃないですよ、松永さん。どんなことがあっても。あれは良くない。」

松永「いや・・・本当に、結構参っちゃって。当日(2月20日)は午後から滝本さんとネットの友人が2名ばかりが来てくれた。滝本さんには、御堂岡氏が電話したようです。ちょうどその時間外出していて、川岸とか歩いていて、もう飛び込んでしまおうかと思うくらい追い詰められていたんだけど。電車のホームとかに立つと、ふらふらっととか。滝本さんが来たとき、僕がいなかったので、滝本さんが自殺の恐れありということで、警官を呼んで大騒ぎになってしまった。もうドアを壊そうかというときに、電話がつながって、警官は20人くらいくるという話だったけれども、電話がつながったので。最終的には6名の警察官が残ったという形で。」

※松永さんはこう認識していたようだが、20日に滝本さんに電話をしたのは御堂岡氏ではないようだ。本人からコメントが入った。

BB「そんなに警官とか来てしまうものなんですか?」


松永「それはね。普通だと事情聴取されるんです。僕らは、こういう騒ぎを起こすと。でも今回は弁護士の滝本さんがいてくれたので、大目にみてくれた。XXXXX署の警察官には、こうなったいきさつを説明しました。原因となったブログのことも。
その後、心療内科に行こうと思って、近所の病院に行こうと思ったら、来週火曜日まで一杯だといわれた。もう一軒行ったら、そこも来週の火曜日まで待ってくれと言われてしまって。」


※この後、メールで実際に心療内科に通い始めたということも知らせていただいた。飲んでいる薬まで書いてくださったが、それはいいだろう。松永さんはこういうところは相変わらず実に几帳面である。


【仕事】

BB「何を言われても気にしないで、とにかく手記は書き続けていくというのはできないものですか?僕は途中で何か言うよりも、とにかくあなたがあれを書き終わるまでは待とうと思ったんですが。きっと懇談会の件もそこで出てくるはずだし。その後で僕の過去エントリーを確認しながら直すべきは直していこうと思って。でも、松永さんはそこら中のブログにいちいち反論しに行っているでしょう?あれはその非常に効率が悪いし、第一、あなたが疲れると思うんですよ。」


松永「何を書いても、もう終わっているとか、仕事もないとか、自慢に終始しているとか言われるんですけど、そもそも今回の騒ぎで仕事を切られた出版社なんて1社もないんですよ。それを仕事も切られているように言われて。」


BB「本当に?切られたところはないんですか?」


松永「本当に。出版社では1社もありません。アスキーの連載中止なんかは、言われているけれど元々スケジュールがそうなっていただけだから。」


BB「以前に仕事を切られたところがあるとおっしゃっていたような気がするけど?」


松永「出版社以外のところでは2件ほどありましたが、出版社は実は大丈夫だったんです。」


BB「じゃあ仕事はあるんですね?」


松永「あります。」


※ここでいくつかいまやっておられる仕事の内容も率直にというか、具体的に話してくださったが、事前に悪意の妨害に合うことを恐れるので、差し控える。最初会うことを引き伸ばしていたのは僕だったが、逆に1月頃からは、松永さんが原稿の締め切りを抱えていることが、なかなか会えない理由になっていた。そうしているうちに、今回の事態になった。