失望したスタート


まあ、僕もおかげさまで、ずいぶん人気が出たものだ・・・というのはさておき。

今日のオーマイニュースの創刊はネットではちょっと大騒ぎの部類になったが、率直に言って期待よりもはるかにひどいレベルの記事だった。

編集部からは下記のごとく、大本営発表が出ているが。




(引用開始)
市民記者、創刊日に1000人を突破! 70本強の記事、アクセスも多く
 28日午後3時ごろの集計で、ついにオーマイニュースの市民記者に登録していただいた人数が1145人まで伸びました。

 本日掲載された記事のうち、70本強の記事が市民記者の投稿によるもので、創刊号を鮮やかに彩っています。午後5時半現在のアクセストップ10も、半分の5本を市民記者の方の原稿が占めていました。

 記者会見でオーマイニュースのオ・ヨンホ代表は「2年以内に市民記者の数を4万人に」と抱負を語りましたが、鳥越編集長は「4万より5万のほうがいいね!」とますます意気軒昂。初日からの市民記者の活躍に勇気付けられた様子でした。
(引用終了)


で、「市民記者の活躍」として括られている中に入っている、以下の2つの記事。


インターネット上ではびこる浅はかなナショナリズム この国の未来を支える若者の論理は・・・

ある日本人男子留学生に「怒り」 中国大連の空の下、30女は吠えた!


この2つの記事には呆れた。論理もさることながら、文章の推敲すらされていないような質の低さである。その上、炎上に近い状態でコメントが殺到しているのに、その事実を観ようともせず「鮮やかに彩っています」などと編集部が嘘ぶくのでは、先が思いやられるというか、もう結構ひどいことになっているのだけれど。


準備ブログの段階ではいろいろ問題のある「市民記者の」記事も多かったけれど、さすがに創刊以降は気を入れてくるかと思っていたのだが、結果的には匿名掲示板=2ちゃんねるへの敵意丸出しの記事と、特定の日本人留学生への罵倒ともいえる不愉快な記事という組み合わせがが、こともあろうに創刊記事の重要な中心にすえられ、ネガティブな注目を浴びることになった。もっとほかに、この大事な日に掲載すべきレベルの記事はなかったのだろうか。


かねてから、ブロゴスフィアを軽視し、匿名の多くの言論を軽んじる鳥越編集長の感覚には疑問を持っていたけれど、ふたをあけてみると、そうした姿勢=危惧が市民記者の投稿にもろに反映した形になった。結果的にこんな低いレベル記事でのスタートをセッティングしてしまった鳥越氏の責任は非常に重いと思う。またこの状況を見ると、オーマイニュースの言う「色に染まらぬ言論のプラットホーム」などというのが、如何に幻であり、現実から遠いかがよくわかる。


こうしたオーマイニュースの頑迷な(敢えて言うと左巻きなんだろうが)姿勢が、韓国との相互理解どころか、かえって反韓感情を煽らないかと気にかかるところである。