アンナミラーズ
- 断じてウェイトレスが見たくて来ているんじゃない! ここのケーキが気に入っているだけなんだと自分をごまかしていたあの頃。
- ここ井村屋なんだよね、実は。などと言ったくらいで驚いている女の子を気に入っていたあの頃。
- この店でゆっくり昼を食べて、コーヒー飲んで、ウェイトレスが水持ってきて、その後行く場所がどこにもない。いっそここに住もうかと思いつめたあの頃。
- それにしてもあの制服は悪趣味だ、考えた奴の気がしれんと自分に言い聞かせ、悪趣味を今日も確認に来ていたあの頃。
- お気に入りのウェイトレスが近づいてきても、君に興味なんかないんだ。ないんだっと手に逆さの文庫本。握り締めていたあの頃。
- 彼女と待ち合わせするのに、アンナミラーズはなかっただろう、バカ! ほかに店を知らんのかオレ!と駆け出したくなったあの頃。