幾千億の自己満足


決して自分の性格の一部にそれがないとは言わないが、人が、億面もなくそれを晒して隠そうとしない様子を見ると、
のみならず、それに得意然としているのを見ると、見てはいけないものを見たように、顔を背けたくなる。


時としてそれは夜中に鏡を覗き込んだときの、なにやらやつれて目が落ち窪んだ、己が醜き顔つきを見て
心底ぞっとするあの感覚に似ているかもしれない。



この世には幾千億もの醜い自己満足が溢れているのであって、
そのうちの少なくとも1つはあなたのものであり、
そのうちの少なくとも1つは私のものである。